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価格が安いオールオン4には要注意

オールオン4は保険が適用されない自由診療なので歯科医院によって治療費は異なります。

集患目的で格安の費用を前面にアピールした歯科医院が存在します。

しかし、オールオン4を費用の安さで選ぶことはとても危険です。オールオン4をきちんと行なった場合かなりの原価コストがかかります。

低価格を強調して広告をしている医療機関でのインプラント治療は治療自体が本来のオールオン4では無い、偽物のオールオン4である場合が多いからです。

オールオン4の妥当な治療費用相場とは?

保険適用外のオールオン4の治療にかかる費用は、医療機関によって大きく異なります。

オールオン4という名前を掲げていても、実際に行われている治療内容が本来のオールオン4とは大きく異なる「なんちゃってオールオン4」「オールオン4もどき」ということがしばしばあるのです。

オールオン4という名称はノーベルバイオケア社の登録商標なので、オールオン4と同じのコンセプトを用いた、即日荷重ネジ止め式全顎フルマウスのインプラント治療の場合で考えてみます。インプラントはインプラント本体の価格においても一流品と格安品では3倍以上の価格差があります。

また、パーツも同様の価格差があります。また最終的に口腔内に装着される補綴物においてCADCAMで削り出した強固なフレームを角度付きアバットメントにネジで固定しているかどうか?など様々な設計要因により大きな価格差が出てきます。

利益追求を目的にしていない大学病院などの公的機関における総額での価格が設計によって230万円〜350万前後であることを考えると、医学的に妥当な治療内容を行なった場合は、その程度の費用が最低限かかると考えるのが妥当だと考えられます。

それ以下の価格の場合はあるべきオールオン4では無い手抜きである可能性大です。

オールオン4が格安でできる歯科医院の注意点

格安オールオン4をうたっている歯科医院では、どのように格安の値段を可能にしているのでしょうか?

オプションがかかり結果高くなる可能性がある

掲げている値段表を見ると、一見安く見えるが、様々なオプションが必要となり、最終的な結果は決して安く無い場合が多いというのが実態です。きちんとしたオールオン4を行う場合には格安な値段設定は不可能なのです。再診料、CT撮影診断料金、コンピュータシュミレーション料金、静脈内鎮静やコンピュータサージカルガイド、仮歯などの料金がベットオプション料金の場合が珍しくありません。ましてや、これらの手間とコストがかかるステップを飛ばしている場合は論外です。

インプラントの種類

現在、日本では様々なメーカーの製品が販売されています。世界的に有名な信頼度の高い一流メーカーの製品から、まだまだ安全性・耐久性についての報告の少ない発展途上とされているメーカー品も存在します。

インプラントは人工心臓と同じように長期に使用する人工臓器なので、長期の使用に耐えうる実績のある、世界的に評価を受けている一流品を使用することが重要です。

一流のインプラントは使用するドライバーの規格などに共通性がありますが、安価な韓国製品の規格は欧米のインプラント先進国では既に過去の規格として葬り去られた規格の製品が多いので要注意です。ドライバーなどの道具やパーツに互換性が無いのでトラブルが起こった場合、大学病院などの他の医療機関で修理などの対応ができません。

全世界で通用している国際規格の製品であることが重要です。

保証

医療行為は準委任契約であって請負契約ではありません。100%確実な医療は存在しないので結果を約束することができないからです。

大学病院や公的医療機関において治療結果を保証している医療機関は存在しません。100%達成出来ない内容に対して、その結果を保証している旨の広告を宣伝していること自体が医療行為を否定している訳で、そのような医療機関で治療するべきではありません。

担当医の能力と実績

オールオン4は画期的な治療法ですが、歯科医師個人の能力だけで完了する治療では無くチーム医療です。

インプラント手術する先生以外に全身管理と麻酔を担当する先生も必要ですし、清潔のスタッフ、不潔のスタッフなど病院の手術室で行われる手術と同様のシステムが必要です。

チーム全員がオールオン4のプロフェッショナルである必要があるのです。安価な建売住宅を作ることがメインの町の大工が高層ビルを作ることは不可能です。

ですから必要なことは歯科医師個人の技術では無く、システムとしての歯科医院全体の実績と能力なのです。当然ながら、十分な実力や実績がない歯科医院での施術は、費用が安かったとしても失敗のリスクが高くなり、後々にトラブルへ発展する危険性が高い可能性を否定できません。

大リーグでも活躍したイチローが45歳で引退しましたが、インプラント手術を行う技術者としての能力はスポーツ選手と同じように20~30歳代がピークです。

50歳を超えると経験値は高くなりますが、老眼がでてきますし、仕事自体が上手くなる訳ではありません。

医療設備や機器、スタッフの充実度

いくら優れた技術を持つ天才歯科医師であっても、クリーンルーム化された手術室、CT、インプラントシュミレーションソフトなどの医療設備やオールオン4に熟練したスタッフなどの環境がなければその実力を発揮できません。

高度な手術を安全に行えるよう、必要な機器や設備やスタッフがそろっているかどうかは重要なポイントです。

保険治療をメインで行っている歯科医院でオールオン4を行うことは望ましくありません。設備やスタッフを含めたシステムが整備されているインプラントを専門的に行っている歯科医院が望ましいです。

従来のインプラント治療と比較してオールオン4が安い理由

従来のインプラント治療は1本の歯に対して1本のインプラントを使用することが原則的な設計でした。

人の歯の数は上顎下顎それぞれ14本の永久歯がありますので、10~14本のインプラントを使用する必要があるので、手術回数も何度かに分けて行うということが一般的でした。

それに対してオールオン4は一度の手術で全てのインプラントを埋入し、全てのインプラントを連結し、歯にかかる負荷を分散することによって4〜8本の少ないインプラントで、片顎(10~12本)の噛む力を支える治療法です。

また従来の治療法は骨が少ない場合サイナスリフトやGBRによる骨造成が必要でしたがオールオン4は傾斜埋入したインプラントを連結することによってコストのかかる骨造成を回避しています。1顎全てのインプラント手術がたった1日で終わること、使用するインプラントの数が少ないこと、手間とコストがかかる骨造成を行なわないことで、結果、従来からのインプラント治療よりコストを抑えることが可能になります。

オールオン4でかかる費用の主となる内訳

日本は国民皆保険のシステムが成立している国です。健康保険治療においては初診料や再診料などの治療行為を伴わない診察から、様々の検査、処置、手術、処方料、指導料、管理料、補綴技工料などの名目で治療費が設定されています。大学病院では健康保険外の自費治療においても同様の積算で治療費が算定されますし、自費治療の場合は消費税も加算されます。 オールオン4に関する治療費の内訳には、主として以下のようなものが挙げられます。これらの費用が全て込みで治療費として掲示してある場合と、インプラント手術費用だけを掲示してある医院がありますので注意が必要です。

安心してオールオン4を受けるための歯科医院の選び方

オールオン4はきちんと手入れをした場合、通常は10年以上使用することが可能です。

私の医院では20年以上の経過を持つインプラント治療の症例が沢山あります。しかし、その間にインプラントだけで無く、残存歯の状況も変化します。

残っていた歯牙が破折してインプラントに変更して、以前治療したインプラントの上部構造と連結する場合も珍しくありません。

インプラントをした治療院が無くなるケース

吉岡歯科医院は30年前からインプラント治療を行なっていますが、現在では他院でインプラント治療を受けた患者さんが大勢来院しています。

どうして以前インプラント治療を受けた医院で診てもらわないか?と患者さんに尋ねると、一番多いのが以前インプラント治療を行なった医院が無くなってしまったという理由です。

イチローは45歳で引退しましたが、55歳の歯科医師は30年後には85歳になっており、その年齢でまともな治療を行うことは不可能です。

35歳の若い歯科医師でさえ30年後には65歳になっているのです。そのようで、小規模な一人でやっているような個人開業歯科医院でのオールオン4はリスクが高いと考えられます。

重要なポイントは歯科医院が継続して存続できるか

また、都心のテナント開業の場合、高いテナントコストを何歳まで支払うことができるでしょうか?都市部では夜逃げする歯科医院も珍しくありません。

重要なことは歯科医院が継続して存続できることです。多店舗展開している歯科医院では担当の代診の先生が開業して数年で居なくなってしまうことが珍しくありません。

しかしインンプラントを良好に保つ為には継続した管理が一番重要なのです。 インプラント治療の中でもオールオン4はもっとも高度な技術が必要とされるインプラント治療です。

ベテラン=優れているは間違いで年齢は関係ない

高度技術を習得する為には経験と年月も必要ですが、技術的に最高なのは30歳代です。目や感覚の鋭さは40歳に入ってからは鈍ってきます。これはスポーツ選手と同じです。では頭脳はどうかというと将棋や囲碁の騎士の年齢を見ると必ずしも経験豊富なベテランが優れているとは言えません。

インプラントを治療する歯科医師の能力はどんな教育環境でトレーニングを受けたかどうかで決まります。

つまり、インプラント治療を専門に行っている設備や環境が整った歯科医院でインプラント治療の英才教育を受けた歯科医師は若くても診断能力も治療能力もトップレベルだということです。何十年ラーメン屋をやっていても不味いラーメン屋があるように年齢はあまり関係ないのです。

ホームページでの差別化が禁止に

オールオン4を安全確実に行える歯科医院の選び方ですが、以前はホームページなので医院が独自の情報を発信していました。

しかし、過剰な宣伝をする医療機関が増加して、現在ではホームページその他で差別化を発信するような内容を公開することは法律で禁止されています。

例えば、インプラント専門医であるということをホームページその他に記載し、アピールすることは不可能なのです。

日本口腔インプラント学会専門医

現在国内には多くのインプラント学会が存在します。それらのインプラント学会の中には、簡単な審査と試験でインプラント専門医の資格を承認している学会も存在します。

その中で、日本において最も会員数が多いインプラント学会は日本口腔インプラント学会です。

日本口腔インプラント学会のインプラント専門医の資格は非常にハードルが高い資格です。

しかし、オールオン4を安全確実に行える歯科医院の院長であれば日本口腔インプラント学会の専門医レベルの実力が必要だとも言えます。

日本口腔インプラント学会の専門医であるかどうかは、日本口腔インプラント学会のホームページを見れば分かります。

日本口腔インプラント学会公式ホームページ:http://www.shika-implant.org/list/

価格が安いオールオン4に注意!正しい選び方のまとめ

医療行為は高い倫理性が問われます。そのような訳で、法律を遵守することが重要です。

しかし、残念なことに実力がある先生でも未承認薬材を使用していたり、法律で禁止されている「◯◯インプラントセンター」という名称を医院につけている歯科医院が存在します。

この「インプラント専門医」「◯◯インプラントセンター」という名称を院外の看板やホームページ、その他の広告に記載することは違法行為なのです。

違法行為を公然と行っている歯科医院は治療行為もコンプライアンス違反で妥当では無いと考えられます。

自分の歯の状態に近いオールオン4の症例は?