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ステロイド薬服用

つらい喘息やリウマチの症状を抑えてくれる一方で、副作用があるステロイド薬。

ここではステロイド薬を使用されている方が、インプラント治療を行う場合の対応方法について解説します。

ステロイド薬がインプラント治療に及ぼす影響から、治療の際の注意点、安全に治療を行うために必要な方法など紹介していますので、現在ステロイド薬を服用中で、インプラント治療に興味のある方はぜひご覧ください。

自己免疫疾患によりステロイド薬が投与されている患者のリスク

潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、シェーグレン症候群、天疱瘡、膠原病などの自己免疫疾患に罹患している患者には、ステロイド薬が長期間にわたって投与されている可能性が高いです。

ステロイド薬長期投与患者は,副腎機能が抑制されているため,手術などのストレスによりショックを起こす危険性が高いのです。したがって、治療前にステロイド薬を処方している担当医に処置内容、手術侵襲の程度、手術時間などを連絡し対診を求めることが重要です。

ステロイドカバーで対応するケースが多い

多くの場合、ステロイドカバー(あらかじめステロイド薬を増量)を行って、安全に手術が行えるような手段を取ることが一般的です。

万一、ショックに陥ってしまった場合は、早期にステロイド薬を静脈内投与し、ショックに対する治療(呼吸・循環管理)を行う必要があります。

ステロイドは感染リスクが増える

その他のステロイド薬投与の最大の副作用は感染しやすくなることです。したがって、術後感染やインプラント周囲炎の重篤化がインプラント治療の成功を妨げるリスクファクターとなります。

ステロイドは骨の形成や吸収にも大きな影響を与える

ステロイド薬が骨形成に及ぼす影響は、骨芽細胞の増殖と分化の抑制、骨芽細胞のアポトーシスの誘導などがあり、骨吸収に及ぼす影響は、破骨細胞の分化・活性化の促進,破骨細胞の寿命延長などがあります。

したがって、ステロイド薬は骨形成やオッセオインテグレーションの獲得・維持においても大きな問題となります。

ステロイドの投与によっておきるインプラント治療のリスクまとめ

また,続発性骨粗鬆症のうち最も頻度の高いものは、ステロイドの長期投与によって発現するステロイド性骨粗鬆症です。

ステロイド性骨粗鬆症のガイドラインによると,第一選択薬はビスフォスフォネート系薬剤と決められています。

したがって、ステロイド薬投与患者のインプラント治療は、オッセオインテグレーションの獲得・維持において大きなリスクを背負っているばかりではなく、その治療薬による BRONJ 発現のリスクも伴っていることになります。

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治療の際の注意点

ステロイド薬を処方されている方は、治療の前から抗菌薬を服用したり、ストレス対策にステロイド薬を増やしたりと調整が必要になります。

インプラント治療を受ける際は、ステロイド薬の副作用で免疫機能が低下しているので、細菌感染しやすい口内の傷には注意が必要です。

また、虫歯や歯周病も細菌による病気ですので、口腔内清掃をしっかりして治療をする必要があります。

また免疫機能が低下しているので、治癒に時間がかかったり、傷口が悪化しやすいなどのリスクが高まるからです。

ストレス軽減のホルモンが軽減されているため
ショック症状が起きるリスクが高まっている

さらに、長期間ステロイド薬を服用していると、ストレスを軽減させる副腎皮質ホルモンの生成を妨げてしまいます。そのため、歯科治療によるストレスを感じたときに軽減するためのホルモンが不足し、ショック症状を起こすこともあるのです。

ステロイド薬には様々な副作用がありますが、自己判断で服用をやめるのは危険です。

自己判断で投薬をやめるのは危険

体内のステロイドの量が急激に減少すると、喘息やリウマチなどの症状が抑えられなくなるだけでなく、症状が悪化することもあります。

また、頭痛や吐き気、倦怠感や血圧低下などの強い離脱症状も起こるので、医師の許可なく中止するのは絶対にやめてください。

早くインプラント治療を受けたいなら、適切な順番を守ることが大切なのです。

ステロイド薬は処方されている量や期間によって、副作用は一人ひとり違います。そのため、処方量や副作用を理解している主治医に相談することで、適切な治療を受けられます。

[※2]

安心してインプラント治療を受けるために

ステロイド薬の処方をされている患者さんが、インプラント治療を希望する場合は、真っ先に現在かかっている内科の主治医に相談しましょう。

インプラント手術は体にストレスをかける治療です。ステロイドを服用している場合、そのことを考慮して投薬を変更する必要が出て来る場合があります。

そのことを考慮して、歯科医師と内科主治医と相談を行ないながら治療を進めることが重要です。

参考文献

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