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喫煙(ヘビースモーカー)

喫煙者が、インプラント治療をできないと言われる理由は血流悪化や免疫力低下などさまざまなファクターで治療に対して悪影響があるからです。

ここではインプラント治療に喫煙が危険とされる理由や、喫煙者が治療を行なう際の注意点、最近話題の加熱式たばこの影響などを調べました。

骨再生への影響と術後トラブルが多い

喫煙しているからインプラント治療ができない訳ではありませんが、術後のトラブルが7倍になるという報告がありますし、サイナスリフトやGBRでは骨ができにくいことが分かっています。

インプラント治療を受けたいと検討している方は、是非禁煙をお勧めします。

インプラント治療に喫煙がなぜ問題があるのか?

たばこに含まれるニコチンは、毛細血管を収縮させ血流を悪化させます。その結果、手術後の傷口に十分な血液が供給されません。その為、傷は治りにくくなりますし骨の再生も悪くなります。

その結果、インプラントとあごの骨に強固な結合が得られないなどの問題を抱えることになるのです。

また、喫煙によって血流が悪くなると、唾液の量も低下します。口内の洗浄作用を持つ唾液が少なくなると、細菌が増えて虫歯や歯周病のリスクが増加します。

ニコチンには免疫に関係の深い白血球の働きを低下させる作用もあるので、喫煙をしているだけで免疫力が低下し、インプラント周囲炎や歯周病になりやすい口内環境になるのです。

インプラント周囲炎のリスク

また、インプラントで生活していく中で手入れをしっかり行なっていないと、インプラント周囲炎になりますが、喫煙者の口腔内はインプラント周囲炎の進行が早く、食い止めるのが容易ではありません。インプラントの寿命が短くなるのです。

インプラント治療の外科手術では、歯茎を切開してからインプラントを埋め込み、縫合するといった流れがあります。

手術前後は禁煙が必要

どうしても禁煙できない場合でも、治療についてはインプラント手術前後約2週間程度の禁煙が必要です。医師の指導を守らずに術後に喫煙を行い続けると、傷口が開き、そのままインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。治療を行なう際は必ず医師の指示に従って、禁煙をしましょう。

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治療の際の注意点

喫煙者がインプラント治療を行なう上で注意する点は、術前後の禁煙期間と治療後の日々のメンテナンスです。

トラブルのリスクが高いので非喫煙者より口腔内清掃などの管理をしっかりしないといけません。、喫煙を続けてるかぎり、ずっと高いリスクと付き合っていかなければなりませんので禁煙する方が簡単です。

喫煙者は非喫煙者に比べて、インプラント周囲炎や歯周病になるリスクが最大6倍にもなります。

メンテナンスが重要なのはリスクが高いためで、喫煙者は非喫煙者よりも気をつける必要があるのです。

また、治療後の傷口の接合が上手くいかずに治療期間が延びたり、治療中に傷口が開いたりすることもあります。

特にサイナスリフトやGBRなどの骨を造る手術については術後感染のリスクが高いという報告があり、術後感染が無い場合でも、骨が出来る量が極端に少ないという報告もあります。

そのため、治療前後は禁煙期間を設けるように指示されるのです。禁煙期間は手術前後2週間が多く、この期間に傷がふさがることが多いことが理由となっています。

喫煙者からすると非常に長い期間に感じますが、インプラントはあくまでも外科手術であり、手術前後2週間はリハビリ期間のようなものです。

この手術前後2週間を含めてインプラント治療と考えることが喫煙者には必要でしょう。どうしても手術前後2週間の禁煙に耐えられないという方は、高いリスクを抱えての手術になることを認識してください。

創傷治癒後、インプラント治療終了後もできる限り喫煙を控えることが推奨されています。喫煙はインプラント周囲炎の発症リスクを高めて、インプラントの寿命を縮めていくからです。

なかなか禁煙出来ない方は禁煙外来を受診するようにしてください。

電子タバコはどう影響するか

最近人気が出てきている電子たばこ「IQOS」、有害物質が少ないとはいえ、インプラント治療への影響はあると考えられています。どのような影響がるのか詳しく説明します。

最近の嫌煙運動によって、喫煙者の数は減少傾向にあります。しかし、まだ愛煙家が一定数いることも事実です。

最近では有害物質が少ないということから、電子たばこに人気が集まっている昨今です。

ここでは、電子たばこの中でも加熱式たばこと呼ばれるIQOSがインプラントに及ぼす影響について紹介します。

まずIQOSについてですが、普通のたばことの一番の違いはたばこから煙が出ないということです。

次に通常のたばこは紙を燃やす際にタールが発生したり、二酸化炭素を発生させたりしますが、燃やさずに電熱によって加熱するだけのIQOSではそのような有害物質が発生せず、9割近くも有害物質を減少させています。

ただしゼロということではなく、ニコチンや一酸化炭素などの有害物質が含まれていることは確かなので、安心はできません。

電子たばこの具体的な危険性やリスクは現在データも少ないことからわかっていません。電子たばこだから安心ということはないという認識を持ってください。

IQOSのインプラント治療における悪影響は、通常のたばことさほど変わりません。IQOSにもニコチンが含まれているので、血管が収縮し、術後の治療がスムーズにいかなくなります。

また、インプラントの寿命を縮めることに対しても通常のたばことそれほど変わりません。IQOSなどの電子たばこも治療中は禁煙することが重要です。

安心してインプラント治療を受けるために

喫煙にはどのようなたばこを使っていても、治療におけるリスクを伴います。喫煙者によって、1日2、3本の人もいれば1日10本以上を吸う人がいますが、量を減らしたからといって結果には関係なく、1日に1本の喫煙でも悪影響があるので、完全な禁煙が必要です。

ヘビースモーカーと呼ばれる常習者でなく、あくまで喫煙者というレベルであれば、治療自体は不可能ではありません。ただし、治療ができるというだけであり、喫煙によるリスクを排除することはできません。歯科医の多くはさまざまな喫煙リスクから、禁煙を推奨しています。

参考文献

自分の歯の状態に近いオールオン4の症例は?