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骨粗しょう症

骨粗しょう症の人は、インプラント治療を受ける際に気を付けなければいけないことがあります。

ここでは、骨粗しょう症の人がインプラント治療を受けるとどういったリスクがあるのかをまとめました。

治療を受けない方が良いケースや治療の際の注意点、安心してインプラント治療を受けるにはどうすれば良いのかを説明します。

骨粗しょう症がなぜ危険か

骨粗しょう症は、インプラント治療の成功を妨げるリスク要因となる疾患です。

オッセオインテグレーションによるリスク

埋入したインプラント体が骨と完全に固定されるためには、十分な初期固定とその後に起こる現象が重要です。

隙間に新しい歯ができるリスク

この現象とは、初期固定の機械的嵌合力が徐々に減少して、そこに生じた小さな隙間に新しい骨ができること。

インプラント体が直接新しくできた骨によって結合することを「オッセオインテグレーション」と言います。

骨粗しょう症が原因で初期固定が上手くいかない可能性

インプラント体の初期固定は、主に埋入部位の骨質、骨量によって決定されるので、この時に骨粗しょう症によって骨密度が低下していたり、骨質が劣化していたりする場合、初期固定が上手くいかない原因になりかねません。

正常なリモデリングが行われないリスク

さらに、一度得たオッセオインテグレーションも長時間維持できなければ、せっかく埋め込んだインプラント体が抜け落ちてしまいます。

インプラント体が埋め込まれている周囲の骨は、代謝により常に新しい骨になります。

骨を作る骨芽細胞が、骨を壊す働きをしている破骨細胞によって骨が吸収された部分に新しい組織を作る代謝のことを「リモデリング」と言います。

正常なリモデリングが行われなければオッセオインテグレーションも上手くいきません。この正常なリモデリングが行われなくなってしまう代表的な疾患が骨粗しょう症なのです。[※1]

治療の際の注意点

骨粗しょう症だけどインプラント治療しても大丈夫?

骨粗しょう症の人でもインプラント治療は可能です。しっかりと骨の状態を検査して適切な治療を行えば、インプラント治療は可能です。骨を失っている場合でも骨を移植するなど、再生させる治療法も確立されています。

注意点

骨粗しょう症の人にインプラントを行う場合、いくつかの注意しなければいけないことがあります。

その1つが治療期間です。通常だと、インプラントと骨が結合する期間はおよそ3~6か月になりますが、骨密度が低い場合はその倍の期間にした方が治療の成功率が高いと言われています。

他には、手術も通常の場合と少し異なり、インプラントを埋め込むために骨に開ける穴を通常よりもとても小さくします。小さい穴に太いインプラントを入れて大丈夫?と思うかもしれませんが、骨が圧迫されてインプラント周囲の骨密度が高くなって安定するので大丈夫です。

手術を避けた方が良いケースも

骨粗しょう症の人で、ビスホスホネート製剤などの治療薬を使用している場合は、インプラントなどの外科手術は避けた方が良いと言われています。その理由は、薬が骨の代謝を止めて骨が溶けるのを防ぐ反面、骨の治癒を妨げるからです。

また、抜歯を行った場合、抜歯後の穴が埋まらずに骨が露出してしまい、あごの骨が腐ったり、炎症が悪化したりする可能性があります。薬を服用している人は、担当医と相談しながら治療をしていく必要があります。また、歯の治療が完了した後も、定期的に検診を受けることをおすすめします。

安心してインプラント治療を受けるために

リスクを減らすために、ビスホスホネート製剤を服用する可能性がある人は、薬を使用する前に歯科治療を完了させた方が良いでしょう。

すでにビスホスホネート製剤を服用していて歯が気になる人は、早めに歯科を受診しましょう。骨粗しょう症とインプラント治療の両立は、早く対応する方がリスクが少なくなります。

参考文献

自分の歯の状態に近いオールオン4の症例は?