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ステップ1.診査診断・説明と同意

そもそも、ご自身にはオールオン4が適しているのでしょうか?受診した医療機関や先生は、ご自身にとって今後も付き合っていく大切なパートナーとして適切でしょうか?

一度治療を始めてから中止をすることは可能ではありますが、その後の受け入れ先の医療機関の選択など、現実的には困難が伴います。診査診断・説明と同意のプロセスを通して、患者さんが自ら主体的に、責任を持って判断されることが大切です。

  1. 診査・診断・治療方法の立案
  2. 説明と同意・治療方針の決定
  3. 前処置・手術計画
  4. 診査診断・治療方針の決定で大切なこと

診査・診断・治療方法の立案

オールオン4は良い治療法ですが、はたしてそれがご自身にとって最善の治療法なのでしょうか?もしかしたらもっと良い治療法があるかもしれません。見落としているデメリットもあるかもしれません。

「自分は絶対オールオン4!」と早合点せずに、フェアな目線で全体を見直すことが、患者さんだけではなく歯科医師にも求められます。

診査

まずは患者さんご自身が何で悩んでいるのかをはっきりさせます。

一見歯がボロボロな方でも、ご自身にとっては食事に困っていないし、見た目も気にしていない場合があります。逆に、一見綺麗な歯並びをしていても、ご本人にとっては許容しがたい歯並びで、コンプレックスに感じている場合もあります。

このような患者さんご自身の主観的な訴えを「主訴」と言い、診療の最初から最後まで、一貫して大切に扱われる命題となります。

どれほど高額な治療をしても、どれほどたくさんの周辺の病気を治しても「主訴」の解決に繋がらなければ、患者さんの満足には至りません。患者さんは歯科医院を受診される前に、ご自身の「主訴」を整理しておくと、後の診療がスムーズになります。

問診で主訴を聞いた次は、客観的な資料収集を行います。

顔全体のバランスを見たり、口の中を見たり、歯や歯肉を触ったり、レントゲンや写真を撮ったり、顎の運動を見たり、模型を作ってみることもあります。診査項目は多岐に渡り、医療機関によっても若干の違いがあります。

一般的に1時間以上はかかるため、医療機関によっては複数回に分けたりもします。とにかくあせらず、まずは資料を取集します。 収集した資料から、主訴につながる問題はなんなのか、または、患者さんが主訴にはあげてないものの、気づいていない病気はないのかを確認します。

診断

診査で得られた資料から、現在の問題の原因となっている病気は何かを推定します。これを診断と言います。

単純に歯がないこと自体は「病気」ではなく「障害」です。障害を引き起こした病気を探ることが非常に大切です。

歯がボロボロの人の場合、歯周病なのか、虫歯なのか、噛み合わせや歯並びが悪かったのか、他にも歯をボロボロにする因子があったのか、病気を推定することで、後の治療方針も変わっていきます。

治療方法の立案

診断を終えたら、歯科医師は原因の病気に対して、どのような治療法がよいのか、治療法を検討します。

治療法は複数考えられる場合があり、多くの場合、それぞれにメリット・デメリットが伴います。そして、治療法にオールオン4が含まれる場合もあれば、オールオン4が適切でない場合も当然あります。

説明と同意・治療方針の決定

説明と同意

治療方針の立案を終えたら、歯科医師は患者さんに対し、下記のような説明を行います。

患者さんは歯科医師の説明を聞いて、分からないことは質問します。

患者さんはその場で治療を決定する必要はありません。一度帰ってご家族と相談されたり、一人で冷静になると、考えも整理されると思います。改めて受診して質問をするのも良いですし、場合によっては他の医療機関を訪ねて別の意見を聞いてみても良いでしょう。

最も大切なことは、患者さんご自身が納得することです。患者さんはご自身の身体と決定に責任があります。治療のメリットだけでなく、起こりうるデメリット・リスクについても受け入れる必要があることを理解し、納得されてから、治療に同意してください。

なお、患者さんは望まない治療をいつでも拒否する権利を有します。しかし、治療を拒否する権利のみであり、治療中断に伴い新たに発生する別の問題や、医療契約の支払いの義務から逃れることはできません。患者さんが治療に納得し、同意をすることで、「説明と同意(インフォームドコンセント)」が完了し、治療方針も決定されます。

説明と同意は1回限りではなく、治療の合間にも若干の治療計画の変更があったり、追加の治療が必要になることがありますので、その都度担当医が説明します。患者さんも、初めに説明を受けて後はお任せではなく、毎回受ける診療内容を確認し、全体の治療プランの中での現在地を確認しながら、治療を受けるようにしましょう。

前処置・手術計画

治療内容に同意した後は、決定した治療方針をもとに、早速治療が始まります。

追加の診査

もし初めに行った診査で足りない情報があれば、再度診査を行い追加情報を集める場合があります。

前処置

いきなりオールオン4の手術ができる方もいれば、今ある問題に対応してからでないと、オールオン4の治療に進めない方もいます。全身疾患の重篤な問題がある方は、まず内科などの主治医と連携して、手術ができるレベルまで疾患をコントロールしなければいけません。
重度の歯周病や虫歯で急性炎症のある方は、まず現在の痛みを解決しなければ、手術どころではありません。

顎や噛み合わせが著しくおかしくなっている方は、まず入れ歯などで顎をある程度正しい位置に誘導してあげないといけません。口の中が汚れだらけの方は、最初に歯磨きをする習慣をつけなければ、手術後の傷口がバイ菌で感染してしまいます。

このように、手術に先立って、コンディションを整えておく作業を「前処置」と呼んでいます。

手術計画

事前に集めた資料を元に、インプラントをどの会社の製品にするのか、太さや長さをどうするか、インプラントの上部につける部品はどうするかを決めていきます。

オールオン4は設計の自由度が高く、患者さん一人一人に合わせたオーダーメイドの治療ですので、それぞれに合ったインプラントを選択します。

手術がうまくいくかどうかは、この手術計画にかかっていると言っても過言ではありません。歯科医師は、事前の手術計画でありとあらゆることを想定しなければいけません。

手術当日、歯科医師はいかに計画通りに体を動かすかに専念します。そこまでしても、手術当日は、患者さんの血圧が高かったり、出血量が多くなったりと、その場でとっさに判断を下さなければいけないことがたくさんあります。事前に考えるべきことは全て考え尽くしておいて、ようやく当日の手術に臨むことができます。

診査診断・治療方針の決定で大切なこと

自分の歯の状態に近いオールオン4の症例は?