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症例003.男性の上下顎オールオン4症例(60代)

症例概要

来院の経緯 歯が無くなったため取り外し式の入れ歯を使用していたが、よく噛めないのでインプラントにして欲しい。また、顔が老けて見えるのもなんとかして欲しい。
治療にかかった費用 上顎420万円/下顎230万円
治療のリスク この症例は上顎については左右の上顎洞が非常に大きいので、通常のオールオン4で行なうと、インプラントにインテグレーションを得ることが難しく、失敗してしまう可能性が高い。対処法として、左右の上顎結節部にもインプラントを追加し、左右の上顎洞内にインプラント埋入と同時にサイナスリフトを行ない、左右の上顎洞内に骨が出来てからインプラントを追加埋入するという方法をとった。
また下顎については垂直的には十分な骨量がある反面、骨の幅が狭いので通常の太さのインプラントを埋めることが出来ない。特に、下顎の中央部は骨が極端に薄くて細いインプラントでさえも埋めることができないので、埋入位置を工夫した。
しかしこの患者さんは上顎も下顎も骨がスカスカで非常に骨質が悪かったので、インプラントのネジの食い込みを良くする為にノーベルバイオケア社のアクティブという特殊な形状のインプラントを使用した。
予後について インプラントを埋入して荷重をかけてから一年以上経過を観察してから最終補綴物を製作したが、その間にトラブルも無かったので、今後の経過は安定していると考えられる。
治療を考えている人へのアドバイス オールオン4を提唱したパウロマロによると、通常のオールオン4を実施できる症例は全体の80%で、残りの20%はザイゴマインプラントを使用するか骨移植が必要とのことです。ザイゴマインプラントは吉岡歯科医院でも行っていますが、インプラントが上顎洞内を貫通する為、術後に上顎洞炎が起こるリスクが懸念されます。最近は人工骨によるサイナスリフト をAll-on-4に併用することによって対処が可能です。この方法によって、ほとんどの症例でわずか一度の手術でも動かない仮歯を提供できるようになりました。

治療内容の詳細

症例
治療前のパノラマレントゲン写真
症例
治療前正面
症例
正面
症例
上顎
症例
下顎

全ての歯に著しい動揺が見られました。この動揺がある歯牙に入れ歯のクラスプという針金が引っ掛けてある為、歯牙の動揺がますます増加したものと考えられます。入れ歯を固定している歯自体の動きが大きいので、入れ歯自体の動きも大きくなり、食事を普通に食べるのは困難な状況です。レントゲンで確認しても、歯を支える歯槽骨は全ての歯で吸収が進んでいて、歯牙を保存することは不可能だと考えられます。患者さん本人がインプラント治療を希望していましたので、CTを撮影し治療プランを考えました。

この症例が通常の症例と大きく異なるのは、左右の上顎洞が非常に大きく、側切歯部まで張り出していることです。一般的には上顎洞の前方部は第一小臼歯までの場合が多いのです。その場合はインプラントを第二小臼歯部から斜めに埋入することによって、第一大臼歯部までの補綴物を作ることが可能になります。しかしこの場合は、前歯しか補綴物を作ることが出来ません。

そこでCTで何処か使える骨はないかと隅々まで探しました。骨質は非常に貧弱ではありますが、左右の上顎結節部にインプラントを埋めることができる骨があることを発見。しかしかなり奥であるだけでなく、付着歯肉の無い粘膜部なので歯を磨くことも不可能な場所でした。様々な可能性を考慮しながら、この場所を一時的に使用できればインプラントを埋めたその日に動かない仮歯をとりつけることが出来るので、仮設足場としてインプラントを埋入することに。インプラント埋入と同時に左右のサイナスリフトを行い、そこは骨が出来てからインプラントを埋入することにしました。また今回は上顎に6本のインプラント埋入と左右のサイナスリフトを同時に行うので、手術時間の関係から先に上顎にインプラント埋入を行い、下顎のインプラント埋入は2週間後に行いました。

症例
上顎のインプラント埋入と左右のサイナスリフトを同時に行った後のパノラマレントゲン写真

左側の上顎結節部のインプラントは初期埋入トルクが35Nに達しなかったので、即時負荷は与えず、しばらく待ってから補綴に組み込みました。

症例

2週間後に下顎に4本のインプラントを埋入。この患者さんは下顎中央部の骨が極端に薄かったので、そこにインプラントを埋めることが出来ませんでした。そこで中央から少々離れた位置からインプラントを埋入。通常は前方の2本のインプラントは平行に埋めますが、この方は平行にインプラントを埋めると先端部が骨から出てしまうので、先端を骨の厚みのある外側に向けて埋入しました。また後方部のインプラントを埋めた場所は骨質が極めて悪かったので、初期安定性の高い形状のノーベルアクティブインプラントを使用しています。

症例
手術を行った日に動かない仮歯を装着
症例
上顎にインプラントを埋めた日に撮影した写真
症例
下顎の仮歯の状態
症例

上のレントゲン写真は、サイナスリフトを行った左右上顎洞部のインプラントのインテグレーションが確認出来たので、上下の最終補綴物の型をとっているところです。

症例
上顎最終補綴物

強度を増す為に、咬合面はフレームと一体化したCADCAMの削り出しで作製しました。

症例
上の補綴物の粘膜面

症例
下顎最終補綴物

上顎と同様に強度を増す為、フレームと咬合面一体としてCADCAMで削り出しています。

症例
下顎補綴物の粘膜面観
症例
補綴物が装着された状態
症例
自然な口元
症例
前方面観
症例
上顎面観
症例
下顎面観

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