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メリットその3・身体の負担を軽減できる

オールオン4手術を受ける際の痛みや身体への負担、手術を受けることのメリットについてご紹介します。

  1. オールオン4手術の痛みについて
  2. オールオン4手術にともなう身体への負担
  3. オールオン4のメリットまとめ

オールオン4手術の痛みについて

手術中は麻酔により痛みを感じません

オールオン4手術をする際は麻酔を行うため、一般的に手術中の痛みはありません。

麻酔には様々な種類があり、オールオン4の手術においては、一般的に、虫歯の治療で使用するものと同じ注射の麻酔(局所麻酔)が用いられます。局所麻酔とは、注射器で、患部に麻酔薬を注射し、患部とその周辺の痛覚を麻痺させる方法です。

この局所麻酔に加えて、「鎮静法」と呼ばれる麻酔を併用することもよく行われています。

痛みだけでなく、緊張や不安感も和らげる

「鎮静」とは簡単に言うと「興奮」の反対の意味を示し、「痛み」とは別に扱われます。

例えば、患者さんは、歯科医師から手術中に痛覚がないことの説明を受けていたとしても、やはり、緊張・不安感などの精神的なストレスを感じてしまうものです。その結果、手術を受ける前から心拍数や血圧が増大するなど、肉体的な影響も出てきます。

「鎮静法」では、鎮静薬と呼ばれる薬品を脳に作用させ、緊張感や不安感の精神的ストレスを和らげ、さらには心拍数や血圧などの肉体的な興奮も積極的に抑える麻酔方法です。

鎮静法の具体的な手技は様々あり、どのように体内に薬品を取り込むかで分類されることが多いようです。ガスの鎮静薬を呼吸とともに肺から取り込む方法、静脈に注射を行う方法、筋肉に注射を行う方法、内服薬で消化器官から取り込む方法などがあります。

鎮静薬は睡眠薬に似た薬ですので、手術中に眠気を感じたり、寝てしまう方もいます。また「健忘作用」と言い、記憶が曖昧になる作用があります。手術中に意識があったはずなのに、手術後に手術の感想を伺うと、患者さん本人は記憶がないために、「手術中は寝ていたと思う」そうおっしゃる方もいます。鎮静薬の効果は、薬品の濃度や、患者さんの体質により、効果に幅があるといわれています。同じ薬品量でも、熟睡して一切手術を覚えていない方もいれば、終始頭が冴えたままの方もいます。

鎮静法は痛みを止めるための麻酔ではないので、鎮静法だけで痛みを感じなくなることは基本的にありません。局所麻酔と併用されることが一般的で、局所麻酔が痛覚を抑制し、鎮静法が体の興奮を抑制します。

大掛かりな全身麻酔は不要

「全身麻酔」と言う言葉を聞いたことがあるかもしれません。「全身麻酔」は国民に一般的に広がっている理解と、医学的に正確な定義とは多少ずれがあるようです。本来、全身麻酔とは「全身に効く麻酔」と言う大変広い意味です。「局所麻酔」は局所にしか効かないので、全身麻酔とは対の存在となります。一方、「鎮静法」は意識や血圧や心拍数など全身に作用しますので、「全身麻酔」の一種となります。

ところが、世間一般的に「全身麻酔」と言うと「体が動かない、全く痛みを感じない、呼吸は機械が行う、寝ている間に手術が終わる」そのような麻酔状態と理解されている方が多いように感じます。そのような状態ももちろん全身麻酔の一種ですが、それほどまでの大掛かりな麻酔状態は、医科においてお腹を切り開いたりするような大きな手術で用いられます。

オールオン4の手術は、そのような手術と比較するとずっと小規模な手術となるので、大掛かりな麻酔を必ずしも必要としません

治療の説明中で「全身麻酔」という言葉を聞いた際には、もしかしたら担当医と認識のズレがあるかもしれません。早合点せず、具体的にどのような状態をさしているのか?意識はあるのか?呼吸は自分でするのか?など、担当医に確認してみると良いかもしれません。

「手術は無事終わったけど、全身麻酔と聞いていたので、意識がないものと思っていた。でも、どうやら寝られない程度の麻酔だったらしい。勘違いしていた私は、手術当時、意識があったので、麻酔が効いていないのでは?とあらぬ不安に陥った。痛みはなかったので、初めから寝ない麻酔と知っていれば、不安感もなかったのだと思う。ちゃんと聞いておけばよかった。」

という方もいます。多くの患者さんが「寝ている間に手術が終われば楽だろう」とお考えのようで、そのお気持ちはもっともだと思います。

しかし、麻酔は、その行為自体にリスクを伴います。一般的に、麻酔深度が深いほど、簡単に言うと、意識がはっきりしている状態から、強制的に睡眠状態に誘導する方法になるほど、様々なリスクがあると言われています。ご自身に大掛かりな全身麻酔が本当に必要なのかどうかは、歯科医師と相談する必要があります。

オールオン4は設計の自由度が高いため、手術の程度(範囲、時間、出血量、難易度など)も人により異なります。どのような麻酔手法を行うかは、画一的ではなく、全身状態や想定される手術の程度によって、患者さん一人一人に計画されるべきものです。ご自身がどのような麻酔を受けられるのかを知るためには、まず、診察を受けていただくと良いでしょう。

手術後の痛みが少ない

どのような手術であっても、手術後には術後合併症と呼ばれる、様々な不快症状があります。オールオン4でも、術後には軽微な痛みをはじめとした症状が生じるものと考えておいた方が良いでしょう。

様々な手術において、術後の痛みは内服薬の痛み止めと患部の安静で対応されることが一般的です。口腔領域の手術において、「自発痛」と呼ばれる、何もしなくても痛みが生じるような症状は、3日以内に消失することが一般的で、オールオン4も同様です。しかしながら、傷が治るまでは「機能時痛」という痛みが伴います。幹部を動かすなどの機能動作をした時に生じる痛みを指します。

口腔領域の手術で患者さんを悩ませる問題は、「自発痛」よりも「機能時痛」であることが一般的です。患者さんは、手術が終わったその日から食事をしなければなりません。手術の数時間後に、デリケートで安静にしたいはずの患部は、口の開け閉めで動かされたり、食べ物で押されたりと、過酷な環境にさらされます。

また、患者さんは、会話・表情などで、周囲の筋肉も動かさざるを得ません。「口を動かさなければ痛くないんだけど、そんなわけにもいかない。笑ったり、食べたりしたらやっぱり痛い。」口腔領域の手術の後ではよく聞かれる感想です。

この「機能時痛」に対して、オールオン4は大変有利な特徴があります。オールオン4では、基本的に手術当日に仮の歯が入ります。この仮の歯は当然ですが、手術を行った患部に覆いかぶさるような状態となります。インプラントを軸として、傘のように傷口を覆う仮の歯が、食べ物が傷口に衝突することを防いでくれますので、機能時痛が軽減されます。

もしも、従来のインプラント治療で広範囲の治療を行い、術後は入れ歯を装着した場合はどうなるでしょうか?入れ歯も患部を覆いますが、動く入れ歯と、動かないオールオン4の仮歯とでは、機能時痛が全く異なります。

痛覚を司る神経は粘膜に存在し、押したり、引いたり、切れたりすることで、痛みが生じます。動く入れ歯は、患部の粘膜に対し、常に動揺を加えますので、痛みが生じても仕方がありません。多くの患者さんは、術後、痛みが原因で入れ歯をずっとはつけていられません。

一方、オールオン4の仮歯は一切動きませんので、周囲の粘膜に対して、機械的刺激を加えようがありません。もちろん、前述の通り、口の開け閉めや表情で動いてしまいますし、舌で周囲粘膜を押せば多少の痛みはありますが、オールオン4が手術当日から噛めてしまう重要なポイントは、咀嚼による機能時痛をキャンセルできることです。患者さんは噛んでも痛くないから噛めるのです。

痛みの出やすい骨造成を避けられる

もしオールオン4をせずに、お口全体をインプラント治療で再建しようとする場合、多くの場合で「骨造成治療」という治療が、インプラント治療に先立って必要となります。

従来のインプラント治療では、元々歯のあった場所にインプラントを埋め込みますが、歯が抜けたり、加齢変化に伴い、顎の骨は減少してしまいます。そのため、インプラントを埋めようにも、骨がないため埋められなくなってしまいます。

そこで、「骨造成治療」と呼ばれる、骨を新たに作る手術を事前に行う必要が出てきます。

骨造成治療は大変有用な治療法なのですが、骨造成治療の有名なデメリットの一つに「術後合併症」という手術に伴い生じる痛みや腫れが比較的大規模であることが挙げられます。

骨造成治療は、どうしても広範囲な粘膜の切開や剥離を伴いますし、各種移植材料を体内に留置する必要があり、自発痛も機能時痛も、シンプルにインプラントを埋める手術と比べると比較的長く続く傾向にあります。

オールオン4は、そもそも骨造成を避ける治療法として開発された経緯があります。骨造成を避けられるというメリットは、オールオン4が世界的に普及した理由の1つです。

オールオン4手術にともなう身体への負担

インプラント治療を受けられる方は20代~90代と幅広いですが、最も多い60歳代の多くの患者さんは肥満、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病など、何らかの基礎疾患、生活習慣病を抱えています。全身の病気と手術は相互に影響しており、病気は手術の結果を悪くしますし、手術は病気を悪化させることがあります。

したがって、高齢になるほど、なるべく手術の負担を減らすような工夫を行い、体全体へ負担をかけないよう配慮します。さらに、全身の病気が手術結果を悪くする可能性があるので、手術そのものも、より確実性の高い処置を選択するよう配慮する必要があります。

手術時間の短いオールオン4

一般的に、手術を行う上で、手順がシンプルであるほど、手術時間は短くなりますし、感染のリスクも減り、傷口の治りも良いとされています。

オールオン4治療で用いられるインプラントの本数は、たとえすべての歯を失っていたとしても、片顎につき最低4~6本です。従来のインプラント治療で同様の範囲を治療しようとすると、10本ほどのインプラントが必要でした。インプラントの本数を効率的に削減し、手術時間の短縮を可能にするオールオン4は、持病や年齢に不安な患者さんにとって価値のある治療法です。

予知性の低い骨造成を避けられる

前述の通り、「骨造成治療」は非常に難易度が高く、術後合併症という、手術に伴う痛みや腫れが比較的重度になりやすく、また、治療結果も安定しません。

患者さんによっては、同じ部位に2回以上骨造成手術を繰り返さなければならなかったり、残念ながら、インプラントを埋められるだけの骨の再建に至らない場合もあります。骨造成治療は、インプラント治療に一般的に用いられる治療であり、大変価値のあるものですが、その予知性の低さが、歯科医師や患者さんを悩ませるデメリットです。

治療範囲が広範囲であったり、患者さんの持病やご年齢などの不安要素が増えるほど、やはり骨造成治療の結果も悪くなる傾向にあります。どのような手術にも言えることですが、可能であれば予知性の低い手段は極力回避されるべきでしょう。

オールオン4のメリットまとめ

比較的負担が少ない手術

オールオン4は設計の自由度を生かし、従来のインプラント治療と比較して、インプラントの本数を削減し、さらに骨造成治療を避けることを考慮されて開発されました。これらは手術に伴う患者さんの負担軽減に直結します。持病やご年齢など、お体の不安が原因でインプラント治療を躊躇されていた方にとって、オールオン4は改めて検討する価値のある治療法と言えるでしょう。

オールオン4はこんな方に最適

自分の歯の状態に近いオールオン4の症例は?